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INTERVIEW #1 ー CROSS Life
柳橋連合市場からほどなく。昨年開業したホテル「クロスライフ博多柳橋」のロビーでは、『うつつかまぼろし』と題された10枚の連作が、行き交う人々を静かに見つめています。作品は、福岡で活動するアーティスト・福田沙千代さんが、この場所のために描き下ろしたもの。ギャラリーでもなく美術館でもない、思いがけない場所でのアートとの出逢い。実はこの協業は、アーティストの活動を多角的に支援する「Artist Cafe Fukuoka」のマッチングで実現したといいます。アート×ホテルの有機的な関係とは?お話を聞いてきました。
地元のアートを世界に発信
―「クロスライフ 博多柳橋」では開業当初から、アートに力を入れてきたんですね。
矢野さん
「Play with Local」をコンセプトとして、福岡の伝統的なアートを館内から発信しています。例えば、各階のサインはさまざまな窯元による小石原焼、多機能コミュニティスペースの天井は大川組子をモチーフとした天井造作。地元アーティストの作品も展示しています。目指すのは、「ホテルは泊まる場所」という概念を超えた、身近なサードプレイス。カフェ利用やワーケーション、ワークショップ開催など、街とつながる取り組みも続けてきました。宿泊者以外も、ロビーやカフェを利用できますよ。
―今回のコラボレーションのきっかけは?
オープン当初、ロビーには別の作品を展示していましたが、半年が経ち「そろそろ次の作品を」と考えたのが始まりです。それまで個人のキュレーターに依頼していましたが、たまたま「Artist Cafe Fukuoka*」と縁があり、相談してみることに。コーディネーターがアーティストを公募し、この場所の雰囲気に合いそうな候補をセレクトしてくれました。
*Artist Cafe Fukuoka
アーティストのワークスペースや、スタートアップ支援(相談、マッチング等)、ギャラリー機能を持つ支援施設。福岡市中央区城内に拠点を置き、コーディネーターが常駐する。
福田さん
私はギャラリー以外で発信できる場所を、模索していたところだったんです。アートは絵画や美術が好きな人だけのものではない。アートに興味がない人とも、「美しいと感じる気持ち」を共有したいと思っていて。カフェでポップアップを開催したりしましたが、イメージに合う場所を探すのはなかなか大変で‥。そんな時に「Artist Cafe Fukuoka」でマッチングの公募を知り、トライしてみることにしました。
この場所に合う新作を加えて
―今回の作品制作はどのように?
協業が決まった時には、「過去の作品の展示でもよい」と言ってもらったのですが、実際にこの場所に来て、空間に合う作品にしたいと思い、元々あった作品に新作を加えて、計10枚を描き上げました。これまでやってきた、ギャラリーの真っ白な箱を、自分の世界へと作り上げる展示とは全然違って。場所に流れる空気や音楽、他に展示されている作品、ロビーを行き交う人の雰囲気との調和が視点に加わり、とても勉強になりました。
福岡のアーティストとこれからも
―「Artist Cafe Fukuoka」によるマッチングの魅力とは?
アーティストにとって、「自分の作品をどう広げていくか」は、自己表現の追求と同じくらい、大きな課題であり悩みです。とはいえ、個人では展示場所を探すのは難しく。「Artist Cafe Fukuoka」はいろいろなジャンルの相談相手にコーディネーターが繋いでくれるので、視野が大きく広がりました。
福岡市がバックアップする取り組みであることは、大きな安心です。スムーズにイメージ通りの作家に出逢うことができ、アーティストにとっても、コラボレーションしたい企業にとっても、双方によい仕組み。地元アーティストの支援の視点も含めて、これからも続けていきたいです。
早速11月から、「Artist Cafe Fukuoka」でのマッチング第2弾の展示を予定しています。今度は日本画のアーティストと。海外からのゲストも多いホテルです。作家によるワークショップも計画中で、もっと福岡のアートを世界に発信していけたらと思っています。
ARTISTS in CROSS Life #1「うつつかまぼろし」
【会期】〜2023年10月31日(火)【会場】クロスライフ博多柳橋 ロビー
https://crosslife-hakatayanagibashi.orixhotelsandresorts.com/
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